目に見えないもの—
物と物、
人と人、
または 人と物をつなぐ空間であったり、
時間であったり、
関係、機会、などなど
そういった形のない対象を含んでいます。
それらは 目に見えない=無 ではなく、
ひとつひとつの存在が呼応しつつ絶えず生じています。
私は その情緒的で曖昧な感覚を規則性を持った作業に置き換え 制作しています。
ある対象をドローイングし続け、情報をそぎ落としたり
ある物を格子状になるまで並べ、紙にエンボスを施すことで
モチーフの個別性を失わせ とある抽象的な形象に変容させます。
その上に様々なインクを何層にも重ねていき
質感や色の擦れなどのディテールの完成度が一定に達した時
有と無が響きあう画面へと昇華していきます。
私たちの暮らす世界でつくりあげているのは
「無」ではなく 行動、存在といった「有」です。
ただ、「有」を円滑にするためには感じ考える、イメージを膨らませる「無」が必要です。
「間」とはなにか?
繰り返す作業が鍛練となって「無」を探る。
情報にあふれている今だからこそ 追い続けます。